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肩書きは自分を「第一人者」に変える!? 自分を「ブランディング」する裏技とは

『仕事人生あんちょこ辞典』の用語「㋷履歴書」の項より

 

■肩書きは自分を「第一人者」に変える!

角田 それから半年後くらいにもう一度会ったらさ、書いてるほうはTwitter とか書いてるんだけど、「仕事が増えた」って言うの。つまり「プラスチックコーディネーター」って名乗ってるから、その人を知らなかった人もコーディネートの依頼に来るんだって。

あともう一個は、今ってほら、プラスチックの海洋ゴミの話とかあるから、その取材が来るようなったって言ってた。僕もテレビ局にいたから分かるんだけどさ、「プラスチックの専門家」に話を聞きたいんだけど誰に聞けばいいんですかっていったら大学教授くらいしか思いつかないんだけどさ、検索してて「プラスチックコーディネーター」って出てきたら、ちょっとその人に話聞いてみようってなるじゃん、どう考えても。

というふうにすると、じつはその人が「プラスチックコーディネーター」って名乗っただけでめちゃくちゃアピールポイントになって、「プラスチック関係の仕事です」って言うより一万倍くらい効果があったと思う。

加藤 この話が「あらすじ」になっているのは、話を盛ってないからだな。

角田 盛っちゃダメだと思う。

加藤 そこだね。履歴書も含めての文書、あるいは企画書は「表現ではなく表記しよう」って云ってる。「表現」ってなんか、慣れてないと盛ったりとかするから。 「表記しましょう」 。あらすじって盛れないね。その感じがすごく好い。

角田 僕も、個別相談会で肩書きについて言う時にそういうアドバイスしてんの。まず絶対嘘はダメだし、盛りすぎちゃうとダメだっていう話をしてて、「街場の教育家ぐらいがいいいですよ。プロ家庭教師とかじゃなくて『街場の』とか付けたほうがいいですよ」みたいなね。

それはテレビの演出で培ったやつでさ。テレビアニメにもなった漫画『巨人の星』で、主人公の星飛雄馬がうさぎ跳びするじゃん。苦労してるんだけど、その苦労をすごいアピールされると嫌味になるじゃん。「父さんは知らないのに」みたいなさ。あのうさぎ跳びは、お姉さんだけが見てたんだよね。で、飛雄馬が大リーグボールを投げた時に、お姉さんが「飛雄馬……!」って泣いてるわけだ。「こんなに苦労して」「お父さんは知らないのに」みたいなさ。

 

 

<著者プロフィール>

◉角田陽一郎 かくた・よういちろう

バラエティプロデューサー文化資源学研究者

千葉県出身。千葉県立千葉髙等高校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、一九九四年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」 「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、二〇〇九年ネット動画配信会社goomoを設立(取締役〜二〇一三年)。二〇一六年TBSを退社。映画『げんげ』監督、 音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC  CMフェ スティバル」インタラクティブ部門審査員 (二〇一四、一五年)、SBP高校生交流フェア審査員(二〇一七年〜)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。 現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。  著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい「地理」』『運の技術』『出世のススメ』、 小説『AP』他多数。週刊「プレイボーイ」にて映画対談連載中、メルマガ「DIVERSE」配信中。

 

◉加藤昌治 かとう・まさはる

作家/広告会社勤務

大阪府出身。 千葉県立千葉髙等学校卒。 一 九九四年大手広告会社入社。 情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に 『考具』(CCCメディアハウス 二〇〇三年)、『発想法の使い方』(二〇一五、 日経文庫)、 『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(二〇一七、 CCCメディアハウス)、『ア イデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(二〇一七、CCCメディアハウス)、ナビゲーターを務めた『アイデア・バイブル』(二〇一二、ダイヤモンド社)がある。

KEYWORDS:

角田陽一郎×加藤昌治 著『仕事人生あんちょこ辞典』

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角田 陽一郎/加藤 昌治

かくた よういちろう かとう まさはる

角田 陽一郎(かくた・よういちろう)

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者 

千葉県出身。千葉県立千葉髙等学校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社を設立(取締役 ~2013年)。2016年TBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員(2014、15年)、SBP高校生交流フェア審査員(2017年~)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい地理』『運の技術』『出世のススメ』、小説『AP』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。好きな音楽は、ムーンライダーズ、岡村靖幸、ガガガSP。好きな作家は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、司馬遼太郎。好きな画家は、サルバドール・ダリ。

                                                             

加藤 昌治(かとう・まさはる)

作家/広告会社勤務

大阪府出身。千葉県立千葉髙等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス、2003年)、『発想法の使い方』(日経文庫、2015年)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス、2017年)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス、2017年)、ナビゲーターを務めた『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社、2012年)がある。           

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